二名小学校の絵⑭
2025年8月27日 13時22分いよいよグリザイユの最終日となりました。
今日は校舎全体の影を中心に色を重ねています。影をつけることで建物全体に立体感が生まれ、より存在感が増してきました。影といっても色調は一様ではなく、ふちや角に近い部分は濃く、中間部分はやや淡くと、場所によって微妙に色合いが異なって見えます。また、ある部分を濃くすると相対的に周囲も濃く感じられたり、遠景は薄めに調整したりと、全体のバランスを確かめながら少しずつ手を加えていきました。昨日色を入れた部分も、いくつか修正を重ねています。
さて、グリザイユが最終段階に近づくと、いつも悩むのが次の段階、特に「空」の表現です。どんな雲を描くか、どの時間帯を切り取るか……空は刻一刻と姿を変えますが、必ずしも写真に写った一瞬が最良とは限りません。そのため、毎回さまざまな資料を集め、作品にふさわしい雲の形や光の加減、遠近感や広がりをどう表現するかを考えます。
今回の絵も、撮影されたのは午後のひとときのようですが、夕暮れの空に仕立ててみるのも校舎の雰囲気に合いそうだな――そんなことを思い巡らせています。