二名小学校の絵その⑦
2024年8月15日 22時27分下描きを終え、次の段階に入りました。
まずは全体のバランスを見ながら、大まかに陰影をつけていきます。この描き方は「グリザイユ画法」と呼ばれ、光によって生まれる影を描き入れる技法だそうです。私は以前、この技法は水彩画に限られるものだと思っていましたが、調べてみると、油彩画やデジタルイラストでも使われるものであることが分かりました。(拡大します)
影の部分には「アイボリーブラック(黒)」を使い、少し「バーントアンバー」という焦げ茶色を加えて温かみを出しています。
子どもたちの水彩画では、通常、明るい色や薄い色から塗り始め、徐々に濃い色へと進めていきます。特に黒は、最後に使うことが多いです。これは、使用する絵の具の特性によるものです。子どもたちが使う「不透明水彩絵の具」は、色を重ねると下地を覆い隠し、塗り重ねても下の色が透けず、ムラができにくいため、扱いやすいとされています。(逆の説もあります。)
一方、私が使っているのは「透明水彩絵の具」で、色を重ねても下地が透けて見えるため、淡く繊細な表現に向いています。以前、小学生に子どもたちに風景画を指導した際、黒色の絵の具の代わりに書道用の墨を使い、グリザイユ的な表現で描かせたことがあります。しかし、光と影の切り替えを捉えるのは小学生にはまだ難しい部分もあり、中学生以上になれば効果的なのではないかと感じました。